異文化交流はユーモアから
“文化講演と英語落語”に会場は納得と笑いの渦!
日本人は笑うのか・・・?◆日本人はジョークをいうのか・・・?
 10月29日(土)、鎌ケ谷市国際交流協会(KIFA)ではその大島希巳江さんを講師としてお招きし、“日本の笑い・世界のユーモア“と題して、文化講演と英語落語の公演を実施した。
 会場の鎌ケ谷市総合福祉保健センター大会議室では、応募参加した98名の聴衆が、大島さんの講演に「なるほど」と心底うなずき、落語公演に「おもしろい」と腹の底から笑った。
 文京学院大学助教授の大島希巳江さんは、オーストラリアのシドニーで開催された「国際ユーモア学会」に日本人として初参加した。
 その時、世界数10カ国の参加者から「日本人は笑うのか?」こんな質問が殺到した。1996年のことである。
 彼女はショックと屈辱を受ける思いだった。
外国人にとっては、日本人は「真面目」「几帳面」「ユーモアが分からない」「面白くない」など
のイメージがあった。
そんな実像とは違うイメージを払拭するためにハタと考えた。
 何をしたら、日本人のユーモアが理解されるか?
「そうだ! 日本独自の芸で、アメリカの歴史より古い落語があるのではないか」
 これはほとんど会話だけでなり立っている芸で、世界に類がない。
 「よし! 落語を通じて、日本のユーモアを、日本の文化を世界に広めよう」以来10年。
 大島先生は、大学で専門の異文化コミユニケ―ション、社会言語学を講義する一方、古典落語の英訳に情熱を傾けてきた。そして、いまやご自身も一席お噺をする英語落語界の師匠にして、マドンナでもある。
《講演の概要》
 第一部の講演では、異文化コミユニケーション、あるいは国際交流には「笑いとユーモア」が重要だと説く。渋谷幕張高校時代2年の時、アメリカのコロラド州の高校に1年間留学、ホームスティ中のできごと、青山学院大学の大学院生時代、イギリスの有名出版社の女性編集長と初対面の待ち合わせした時のこと。
 ご自身の体験を例に出してのお話は、分かりやすく説得力がある。
 「国や文化が異なれば言葉のニユアンスの取り違え、笑うに笑えぬ失敗、誤解が生じることがある。そして怒りや緊張状態に発展しかねない。それを和らげ、相互に思いやるいい関係が作れるのは“笑いとユーモア”が一番です」
 「欧米人は、笑う反応が早いですね。そのほ
うが賢いとでも思っているのか、オチの前に笑ってしまう。たとえば、「時そば」で“いま何時だい”でワハハとくる。後がやりにくいですね。
 この「時そば」に限らず落語は、大島さんによると、日本の文化や笑いを伝えるのに最適な話芸だという。「食事するとき、音をたてたり、丼を持って食べる習慣はない。行儀が悪いとされているから、そばをズズズツと音を立てて啜る情景が理解できない。しかし、日本人は啜る音が粋だと考え、悦に入っている。
 そこに文化の差があります。そのあたりが外国人に分かりはじめると、落語家が音を立ててそばを啜ると拍手喝采が起きます。
 そして、彼らは本場であんな風に堂々と人前で食べてみたい、日本文化は興味深いからぜひ日本に行きたい、となります。
《英語落語》
 第二部では、大島希巳江助教授が舞台にしつらえた高座に上がる。白を基調に、赤と青をあしらった花模様の明るい着物姿。その花柄は桔梗、鎌ヶ谷市の市花とはなんともタイミングのいいお召しだ。
 ここで彼女は、司会の波多野勝夫研修部会長の紹介で、「文京亭希巳江」師匠に変身する。 
 お題は「動物園」。噺は、怠け者の男と動物園のマネージャーの駆け引き、騙しあいの物語。
 師匠はこの日は、まず英語でかたり、次にそ
れを日本語に訳す一人二役の熱演活躍ぶり。
 会場の聴衆は始めは静かに傾聴していたが、徐々に笑いの渦に引き込まれる。
大拍手のうちに、英語落語はジ・エンドとなった。 最後に、文教亭希巳江師匠はこう締めくくってくれた。
 「笑いは敵を作らない。そういう意味で、英語落語は“平和的活動”そのものだと思います。
“Sushi”がオックスフォードの“英英辞典”に載っているように、日本文化の代表として“Rakugo”もぜひ載せたいですね」と熱く語る。
・イベントスタッフ一同