2014年度の鎌ケ谷市総合防災訓練が9月28日(日)10時~12時、市役所駐車場で行われました。
消防機器、救護・レスキュー隊、自衛隊の救援資材・炊き出しなど、防災避難態勢が展開されました。また、消火器の扱い、煙テント体験、土のう作り、簡易トイレ製作など災害時における,「自分のことは自分で守る」ための避難訓練の体験作業が行われました。
 KIFA(鎌ケ谷市国際交流協会)も「派遣通訳ボランティア」のブースを設置し、参加外国人のための会場ガイド、体験中の通訳につとめました。
 
 
外国人通訳ボランティアの提案
 現在、鎌ケ谷市には1200人弱の外国人が生活しています。中国、韓国出身者が全体の7割くらい。その他、フィリピン、ベトナム、アメリカ、ヨーロッパ出身となっています。
 永年その地域で生活している日本人でさえ、実際の災害に遭遇した際、混乱状態になることは、これまでの大規模災害で証明されています。そうした中、地域に不案内で日本語に不自由な外国人には、防災避難に際しては、情報過疎の状態になります。
 災害・非難時に、これら外国人へのサポート対応は行政としても、また地域にとっても重要な課題です。住んでいる地域の「避難場所」「道筋」「避難情報通訳」など多国籍言語による手引きが必要になります。
 KIFAとしては、そうした課題の対策の一環として、市主催の防災訓練に「防災通訳ボランティア」の派遣を提案し、「派遣通訳ボランティア」のブースを設置しました。また、日本語が分からない外国人も安心して参加できることを、市の広報紙を通じて事前に周知しました。
  
市総合防災訓練への当日のKIFAの態勢;
・ボランティア通訳英語2名・ハングル2名、中国語2名、ベトナム語2名。(外国人通訳4名)
・参加外国人、中国8名、英語1名(計9名)
  当日の通訳ボランティアの対応は英語・中国語・ハングル・ベトナム語4カ国語体制で臨みました。訓練開始までに通訳ボランティアの皆さんと共に,KIFAスタッフは会場全体を廻り、外国人への通訳ポイントをチェックしました。
 訓練開始から、来場外国人には消火器放水体験、煙テント体験、AED取り扱いなど通訳ボランティアが一緒に廻って体験しました。外国人体験者は「煙体験では、立ち込める煙と何も見えないことに思わず体が固まってしまいました。」
「地震の大きな揺れを体験したことがないので次回は地震体験車も体験したい」――など感想や注文をつけてくれました。
 体験を終えた外国人は、スタッフと共にハザードマップで自宅と避難所を確認、マップに加えて多言語版 災害時非常事態カード、救急時情報カードを持ち帰りました
 
 外国人参加者の声
・煙テント体験は、びっくりするほど何も見えなくて体が固まってしまった。良い経験だった。
・火事の場合、火で命を落とすより煙で命を落とす人の方が多いのも納得できた。
・煙の体験だけでなく、火事の時にできればタオルなどを濡らして口を押えるのが良いなどボランティアスタッ フから聞くことができたので良かった。
・大きな地震(揺れ)を経験したことがないので、地震体験車もあるとよい。
・警察や消防など、子ども達が制服を着たり、乗車したり子どもも一緒に楽しめた。
・地震が起きた時の初期動作で、火を消してからテーブルの下にもぐるのかと思っていたが、テーブルの下にも ぐって揺れが収まってから火を消すのが正しいと分ったがなぜ?
・ボランティアスタッフから、最近のガス器具などは、オートマティックになっており、揺れを感知して火は消 えるが、その後ガスが復旧した場合、ガスを止めていないと事故が起きると聞いて納得できた。
・簡易トイレを作った。時間は掛かったが、かなり丈夫なので十分役立ちそう。
・Disaster emergency card, 救急時情報収集シート等の情報に加えて、ホイッスル、LEDライトなどももらえて よかった。
 
 今後のKIFAの取り組み
 
総合訓練には外国人の来場者数はそれほど多くはなかったが、行政、KIFA双方にとって、とても意義がある参加だった。今回の体験訓練を生かしていく上で重要なことは、「その時」に備えるには一過性の訓練(通訳ボランティにとっても)で終えるのではなく、実際に体験された外国人が「どのように思ったか」「どのようにしてもらいたい」とか、「受けて側=外国人」の声を、行政の防災対策に取り入れていく取り組み、ネットワーク等の一層の整備が必要ではないか。それらの取り組み対し、KIFAとしては日常的に、どのような協力サポートが出来るのか詰めていくことが必要ではないかと感じた。
 また、このような機会に、派遣通訳のボランティア登録者は、参加外国人の人数に関わらず参加して、体験してみることが、災害時や災害時対応を考える上で必要だと感じた。
 参加した外国人からは、参加して良かったと言われたことも嬉しかった。そして何よりも外国人に対応しようとしているKIFAの活動と姿勢を示せたこと、KIFAとしての多文化共生の意識を示せたことだけでも、大きな意義があった。 
 
 
 避難所に関して
外国人対応に際し、通訳ボランティアはまず、避難所の全体観、特に外国人にとって必要不可欠な場所(箇所)を把握する必要があると感じた。
とくに避難所内の外国人に必要な場所を的確に把握してから通訳に入ることが大切だと思う。避難所の全体観や重要箇所を把握してから通訳活動に入らないと、外国人を必要な場所に的確に連れて行くことができず、時間や労力のロス、混乱が生じる可能性が高い。
避難所では、場所に日本語(ルビ付き)とナンバー並記があるとよい。例えば、給水場所は1、食糧配布場所は2、救護場所は3など。要件によっては通訳が一緒に行かなくても、外国人に1番に行って並んで下さいと指示するだけで、十分機能することもあると考えられる。
 (例、食糧、水など物資の配給場所や救護、看護場所など)万国共通に理解できる、高齢者、子ども、障害を持つ人にも優しく、遠くからみても分かりやすい数字の並記があると良いと思います。
少ない人数の通訳で多数の外国人に対応する場合、各外国人に○番のところに行って待つよう指示し、通訳が外国人に声を掛け終わったところで○番に行き、通訳することで、通訳の人数が限られた中でできるだけ有効に機能すると思われます。
避難所に通訳や外国人に関わる人がいる場合、避難所運営の核になる人の中に、通訳や外国人に関わる人物を入れることが大切だと思う。
災害時に通訳ありきで全て対応することはとても無理で、通訳や外国人に関わる人物が、外国人には○○のように説明すると分かりやすいとか、○○の表記の方が分かりやすいなど、それを避難所で取り入れることで緩和できることも沢山あります。
そうすることによって、外国人の母語、外国語でなくても、相互理解と相互のストレス緩和に役立つでしょう。