私の海外体験記
 
                             メキシコシティー              KIFA会員 黒須英典
 
●JICAシニアボランティアとして3年間滞在

 私は人を通じた国際協力で2012.3から3年間メキシコシティーの南東部にある第6工業高校 (Cetis 6)で中堅技術者育成を目的とした品質管理系技術の指導を教師に実施しました。指導は小集団グループを編成し、学習環境の整備のために5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)の実行、実習室の安全活動、品質管理系の教科書作成でした。

 特に、5Sは企業で必要な知識として脚光を浴びており、現地事務所提案で派遣SV(シニアボランテイア)で5S分科会を組織し、企業の視察や各SVの活動拠点の訪問等で5S活動を推進しています。

 私の任地は13世紀末に湖の中に建設されたアステカ帝国の首都で、15世紀のスペインの征服で大々的に埋め立てられた中央高原地帯の標高2250mの外輪山に囲まれた盆地で、人口約2000万人のメキシコ最大の都市です。

 気候は日本とは異なり、太陽が出ている日中は一年を通して真夏ですが、毎日1日の温度差が大きく、8月でも朝晩は冷えこみ、冬期の朝は手袋、オーバーコートが必要な日もありました。湿度は一年を通じて乾燥気味です。季節は雨期、乾期に別れ4月~10月が雨期で、この時期の雨は突然どしゃ降り状態になり、1 時間程度で止むスコールです。天気はめまぐるしく変化します。あるメキシコ人は朝、外に出て今日の天気を予測すると言っていました。更に、メキシコ人の気性をひねくり、メキシコ人の気性と一緒とも言いました。
 市内には多くの歴史的建造物を含む観光スポットがあり、東西南北に張りめぐらされた地下鉄やメトロブスと称する公共バスで訪問できます。

 地下鉄は行先に最終駅が表示され、全線同一価格の安価で安全な交通手段と言えます。タクシーの利用も可能ですが、後部窓ガラスに顔写真を貼り、安全を強調しており、それだけに種々の事件が起きています。 街中では交通信号無視が目につきます。車優先社会で、他人を頼りにできないお国柄、自分の身は自分で守る事が大切であり、交通信号を信頼するより、“自分の目で安全を確認”が理解できます。電車、バス内では老人に積極的に席を譲る優しさ、銀行の前で、長時間辛抱強く順番を待つ忍耐強さ、何かをしてあげた時に返されるグラシアスと言う感謝の言葉、咳やくしゃみをした人にサルードと声をかける親しさ、いたるところでの無神経な大音響の音楽、アオリータ(直ぐに)とかシンコミヌトス(5) と条件反射的に言う口癖、時間にルーズで約束を無視してもその事に対する詫びは一切しないマナーに気づきます。特に時間にルーズ゙や約束の無視はいろいろな場面で遭遇しましたが、同僚のメキシコの皆さんには日常茶飯事の出来事らしく怒ることなく、平常心でした。

習慣では”お湯は鍋で沸かす”、”インスタントコーヒーはコップ゚に湯を満たした後、粉末コーヒーを入れる”、”先生達は朝食を食べない習慣”等があります。

珍しいものは有名な“死者の日”のカトリーナさんです。 カトリーナさんは革命以前の1910 年にメキシコの風刺画家ホセ・グアダルーペ・ポサダによって描かれた贅沢三昧な上流階級への風刺的意味合いの比喩だそうですが“死者の日”は彼女が主役になっています。そばにいた抱っこされた子供は彼女を見て泣きだしました。

 赴任前に過去数回仕事や観光でメキシコを訪問した経験がありますが、こちらに赴任して観光の時とは異なるメキシコシティーにおける文化習慣の違い(異文化) を学びました。異文化に接することは楽しいものばかりではなく、時には、いらいらし、腹がたつ事もありますが、異文化と思えばいたし方ないことです。メキシコは多様性の国とも言われ、私の異文化経験はその一部と思います。 

今回の国際協力を通じて知った異文化を日常生活に役立てていきたく考えています。


  


メキシコ地図


メキシコ市郊外


メトロバス


地下鉄


死者の日のカトリーナさん


Guadalupe


History of revolution